2025年


6月1日
大阪・関西万博にて6月1日、パレスチナのナショナルデー関連イベントが開催され、11時からセレモニー、15時から民族舞踏団の公演とファッションショー、そして夜には、関係者を招いたレセプションが執り行われました。

シアム大使から当協会の会員宛にもご招待をいただきましたが、都合がつかず、残念ながら出席が叶わなかった方も少なくないと思いますので、当日の様子をご紹介します。


迎賓館で行われたレセプションでは、シアム大使、アル・アムール国民経済大臣、そして上村日本国政府代表(中東和平担当特使)のご挨拶の後、昼のステージイベントの演目の一部が披露されました。
まずは、ヨルダン川西岸から来日した民族舞踏団によるパフォーマンス。
「ダブケ」と呼ばれる民族舞踊を、舞台演技に昇華させたもので、男女10名が複雑なステップに回転動作を加えた激しい動きを軽快に繰り広げた後、静かな舞を挟み、男女2名によるユーモラスな舞踏などに展開をしていきました。
全体の動きが統制されながらも、リズミカルで躍動感があり、観客からも音楽に合わせた手拍子が打たれ、会場が一体感に包まれました。

続いて、花柳梅艶香(はなやぎうめつやか)氏による三番叟(さんばそう)の披露。その舞には、平和や豊穣の願いが込められています。

そして最後に、パレスチナの民族衣装や、伝統刺繡を施した帯をフィーチャーした和装のファッションショーが始まりました。
民族衣装は、シアム大使の亡きお母さまが収集されたというパレスチナ各地の特別な刺繍が施されたドレスで、目を奪われる色彩の鮮やかさや刺繍の細やかさでした。それらのドレスの中には、19世紀のものも含まれていたそうです。
西岸やガザの女性に依頼し、民族衣装に用いられる伝統的な刺繍が帯に施されたもので、見事なまでの和服との調和に、会場からは感嘆の声がもれていました。
なおパレスチナ刺繍の帯は、当協会の山本理事が主催するプロジェクトで、衣装のキュレーションおよびショーのプロデュースも、山本理事によるものです。

パレスチナには間違いなく豊かな文化や芸術が存在し、それらを大切に守ることは、パレスチナのアイデンティティの維持にも繋がります。

だからこそ、多くの人々がパレスチナの文化に触れ、その文化に対し敬意を抱くだけでも、それはパレスチナ支援の重要な一面であるということを、今回の一連のイベントや展示などを通じ、再認識をしました。

大阪・関西万博は今年の10月13日まで開催され、パレスチナのブースは、コモンズDにあります。写真やパネル、貴重な品々の展示の他、学生スタッフの皆さんによる簡単な説明を受けることもできます。